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土地相続の対策

2018.09.19

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相続という言葉を聞いて、どんなことを思いつくでしょうか?いざという時に、知識があるかないかで大きな差がついてしまう相続です。

まずは、相続の仕組みを知ってください。

人が亡くなると、その人の相続が発生し、亡くなった人の遺産(財産)を評価して相続税の計算をし、10カ月以内に相続税の支払いをしなければなりません。その後、奥さんや子供さん等の相続人で話し合いをし、その財産を分割して承継することになります。そのような手続きを相続手続きと言います。

相続する遺産には、現金・預金・株式・保険等の金融資産と、土地・建物・自動車等の固定資産があります。今回は、土地の相続について考えていきたいと思います。

相続する土地の評価について

 相続が発生すると、亡くなった人の所有した土地も評価しなければなりません。
 その土地の評価の仕方については、「路線価方式」と「倍率方式」の2種類あります。一般に、都市部の土地は「路線価方式」、郊外の土地は「倍率方式」で評価されています。この路線価とは、毎年8月に各国税局から発表されるもので、ネットで確認できます。簡単に言うと、道路に値段を付けたものだとお考え下さい。
 例えば、路線価40万円の道路に、200平方メートルの土地が接している場合は、40万×200と計算し、8000万円がその土地の評価額となります。

土地相続の対策は何のためにするのか?

相続対策は、亡くなった人の遺産を計算して、相続税を支払い、相続人にスムースに承継されること、つまり、亡くなった人とその家族が仲良く、幸せに生きて行けるようにするために行うものです。

3つの土地相続の対策

相続対策の内容としては、まず相続人間で揉めずに承継できるようにする①「争族」対策、それから相続税が無理なく支払えるようにする②納税資金対策、そして支払う相続税の額をできる限り少なくする③節税対策の3つを考慮しなければなりません。

 この3つの中でも、相続対策は家族の幸せのためにするものであることから、最優先事項は、「争族」対策そして次に納税資金対策を、それが節税対策にもなれば取り組み方法としては、望ましいと考えています。

 土地の相続においては、お金のように自由に分割することができないため、揉めごとの原因となりやすい。特に共有名義の登記をしておくと、相続を重ねることで、共有者が増え続け、管理方法をめぐりトラブルの原因となりやすい。一時的に共有名義にしておくのはよいが、最終的には登記名義は単独所有の形にすべきであると思います。そこで、予め分割方法を決めておく等の措置をとらないと「相続」が「争族」ということになりかねません。それを避けるためにも、土地の相続においては、土地を活用したりして事前に対策をしておくことが大切です。それがひいては、納税資金対策や節税対策にも効果を及ぼします。

土地相続対策の具体的なやり方

 (1)自宅土地の場合

 亡くなった人の住んでいた居住土地については、小規模宅地の特例制度があり、一定の条件を満たせば、330㎡(約100坪)まで評価額の8割引きで評価してくれる。つまり、評価額の2割で評価してくれるという恩恵が認められています。それが、土地の相続対策の効果を十分に発揮してくれます。

 (2)自宅以外の土地の場合

 自宅の土地だけしか小規模宅地の特例の恩恵を受けないため、土地利用について対策を立てておく必要があります。

 ①亡くなった人が建物を建設して、居住用に人に貸したり、テナントに貸したりする場合は、他人のために利用していることを考慮して、評価額が減額されます。さらに、建築資金を借り入れした場合は、遺産額から借入金を差し引くことができ、相続税が減額される。その上、地代等の収入も期待できるので、納税資金対策にも効果がある。その意味でも、土地の相続対策の効果を期待できる。
 しかし、これからの人口減少と少子化時代を考えると、アパートなどの居住物件の賃貸については、空室率をも考慮して、慎重に計画を進める必要があると思います。土地の相続対策としては成功しても、日々の賃貸経営がうまくいっていないと意味がないからです。

 ②亡くなった人の土地を定期借地権で賃貸し、借主が建物を建てた場合。定期借地権とは、一定期間が経過した場合に、その契約の更新はなく、建物を収去して、土地を必ず返還する制度のことです。今まで、土地は一度貸してしまうと借主の保護が優先され、貸主の元には半永久的に戻ってこないという貸主の不満に応えた制度です。
 この制度を採用すると、決まった期間が経過すると、確実に土地が返還されるというメリットはあるものの、評価額は③と同じく駐車場並みとなり、評価額の減額はされません。

 ③亡くなった人の土地を駐車場として貸していた場合は、②の場合と同じく土地の評価額の減額はありません。但し、駐車場の場合は、更地に戻すことが比較的簡単なため、土地の相続対策の欠点である「争族」が、その土地を売却してお金に換えて、相続人間で分けることで、解消できるというメリットがあります。

 ④亡くなった人の土地が、田畑等の農地や山林だった場合は、宅地の場合より評価額が低くなる。農地や山林の場合は、前述した倍率方式で安く評価される。農地や山林は、相続人が承継したがらないことと、分割しにくいことには変わりなく、分割で揉める原因ともなる。その意味でも予め土地の相続対策が必要であり、農業承継
人をあらかじめ決めておく等の措置をとっておく必要がある。

 ⑤土地があちらこちらに点在する場合や、便利な土地と使い勝手が悪い土地が混在している場合には、使い勝手の悪い土地は積極的に売却する等の決断をして、資産の組み換えをすることも必要です。先祖の土地を守るという事に固執せず、積極的な決断も大事だと思います。そして相続人の長男にはA土地を、相続人の長女にはB土地を残すというように相続人と土地をしっかり紐づけしておくのも良い方法だと思う。これにより、土地の相続対策の3つの効果がより効果を発揮できると思います。

 ⑥土地が広大地であったり、道路が2方向にあり、路線価が異なる場合は、全体土地を測量して、且つ工夫して分筆し、低い路線価を利用して土地を分割して評価が下がるようにしておく。これにより、土地の相続対策の3つ目の節税対策になる。

 ⑦土地の評価が高い割に利用しにくい土地は、予め測量する等の手間をかけておくことにより、土地の評価のままで国に取得してもらう物納制度を利用することも検討すべきである。税務署は、物納に消極的だが、良い土地は活用して相続人に承継させ、物納地しか残っていないような状態にしておくことで、物納も可能となります。

おわりに

以上のように、土地の相続対策は、土地の特性を考慮し、事前に対策をしておくことにより、効果を発揮できると思います。そのためには、亡くなった人が生前中から、自分の思いを家族に伝えておくなど、そしてそれを基に遺言を作成する等の対策を立てておくことが大事だと思います。日本は、戦後ずっと大家族で生活し、家督相続といった長男だけが相続するという形に慣れており、遺言等をすることに慣れていない。

 しかし、戦後の均分相続が一般的になった現在においては、自分の意思を明確にあらわしておく遺言は、重要かつ不可欠な制度だと思います。土地の相続対策の目的が、家族の幸せで、相続を「争族」にしない為にも、遺言はますます重要性を増すと思います。そして、そもそも相続は、自分の死後の問題ではなく、生前葬が流行ってきているように、生前対策を早めにして、自分がその後の心配を無くし、自分の残りの人生を楽しむためのものと積極的にとらえる時代となってきているのではないでしょうか。

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http://www.machi-corp.jp/column/class/case/