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サブリース方式の説明・メリット・デメリット

2019.02.07

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サブリース方式の説明 メリット・デメリット
賃貸契約の形の一つに、サブリース方式があります。このサブリース方式には様々なメリットと、貸し出すときに知っておくべきデメリットが存在しています。貸主側と借主側において、それぞれの立場でメリットとデメリットを確認してみましょう。

1.サブリース方式とは

サブリース方式の中には、物件の持ち主である貸主(オーナー)、その物件を借り受ける不動産管理会社、そして物件を実際に使用する借主が存在しています。
正確に言えば、物件の所有者であるオーナー自体は、不動産管理会社に対する貸主であり、この契約自体をマスターリースと呼びます。中間に入る不動産管理会社は、物件のオーナーから見れば借主。物件を実際に利用する借主から見れば、不動産管理会社は貸主になります。不動産管理会社から見た、実際の借主の契約自体をサブリースと呼びます。
本来の持ち主による賃貸契約がマスターリース、そして借り受けた物件を転用して貸し出していることをサブリースと呼ぶことを覚えておきましょう。

2.貸主側におけるサブリース方式のメリット

それでは、オーナー側の、サブリース方式のメリットを見てみましょう。
サブリース契約は、オーナーが不動産管理会社に一定の手数料を支払い、家賃の保証や物件の管理、そして運営を委託する方式が一般的です。
例えば、その物件を賃貸し、得られる家賃が50万円だったとします。そこで、家賃2割分の手数料10万円を不動産管理会社に支払います。不動産管理会社は50万円から10万円を報酬として受け取り、40万円がオーナーの収入になります。
オーナーは一定額の手数料を支払わなければいけませんが、入居者の有無に関わらず、家賃保証によって収入が安定するメリットがあるのです。そのため、ローンの返済計画などが立てやすくなり、空室リスクに怯える必要がありません。
そして、物件の管理や運営も不動産管理会社が行うため、自分で入居者を募集したり、物件の管理や修繕を手配したりする必要がありません。ほとんど手をかけずに家賃収入を得ることができるのが、サブリース方式の契約における最大のメリットと言えます。

3.貸主側におけるサブリース方式のデメリット

一方、サブリース方式の契約で、オーナーにデメリットやリスクがないわけではありません。最近では、実際にサブリース契約における数々のトラブルが発生しています。
まず、最も多いトラブルは、家賃収入が契約更新の度に減額される点です。
サブリース契約は家賃保証とセットになっており、一定の金額が必ずオーナーに支払われます。しかし、その金額自体は、契約の更新に応じて徐々に下げられることが一般的です。また、その下げ幅自体も大きく下がってしまうことがあるのです。
不動産物件は、基本的に建物の経年劣化で家賃が下がっていくのが当たり前です。そのため、物件を10年間運営していれば、5%程度家賃が下がってしまうのは避けられません。
しかし、サブリース方式の契約の場合、例えば、同じ家賃で2年間の契約を交わしたとして、次回更新時に
・建物の劣化が進んだ
・きちんとした修繕が行われていない
・周辺の人口が減った
などの理由で、なんと家賃が10%から20%も下げられてしまうことがあるのです。
そのため、安定した家賃保証が付いているからといってサブリース契約を結び、家賃収入からローンの返済を見込んでいた人は、家賃の値下がりによってローンの返済がままならなくなってしまうリスクも存在しているのです。
サブリース方式で契約する時、家賃の見直しがどのタイミングで行われるのか、家賃がどれほど下がるのか、いずれもオーナー側は確認しておかなければいけません。

そして、家賃の減額の次に多いサブリース方式のトラブルが、違約金に関するものです。
サブリース契約で家賃が大幅に下がってしまい、仕方がないのでサブリース契約を打ち切って自分で物件を運営し、家賃収入を確保しようと考えるオーナーの方もいます。
しかし、サブリース契約を結ぶ時、不動産管理会社が契約の解除に伴う違約金を設定していることが多いのです。この違約金の金額が1,000万円を超えるような大金の場合、収入が下がって違約金が払えないため、オーナーがサブリース契約を破棄できないこともあります。
このように、違約金の存在によって身動きが取れなくなるだけでなく、赤字のサブリース物件を所有し続けることで、固定資産税と毎月のローン返済で支出だけが増える事態に陥っているオーナーの人もいるのです。
違約金の設定は、まず、契約時に自分でしっかりと確認しておく必要があります。違約金が発生せず、お互いの合意の上で契約更新時に契約を打ち切ることができるのか、違約金の金額はどの程度になるのか、きちんと把握しておかなければいけません。

サブリースを行う不動産管理会社も、違約金問題でオーナーから訴えられるケースが増加しているのです。不動産の賃貸契約を結ぶ時、必ず、両者が詳細な契約内容を確認しておく必要があります。それは賃貸契約や売買契約だけではなく、サブリース契約においても必ず行いましょう。

3.サブリース契約による大きな問題『かぼちゃの馬車』とは

2018年にスマートデイズ社が運営していたシェアハウス『かぼちゃの馬車』が大きな問題になりました。これは不動産業界だけではなく、一般のニュースでもしきりに報道されたため、耳にしたことがある方も多いでしょう。
スマートデイズ社は不動産投資に興味のある人を対象に、かぼちゃの馬車という女性専用のシェアハウスの運営をサブリース契約で持ちかけました。
スマートデイズ社経由で高額な土地と建物を購入し、購入資金はスルガ銀行から4.5%という高金利で融資されました。高金利ながら1億円以上の融資を受ける個人投資家が多かったのです。
建築価格や金利は高く、二重のリスクがありました。しかし、スマートデイズ社は不動産投資家に対し、サブリース契約で一定金額の家賃保証を行うことを明言し、安心であることを訴えました。たとえローンの返済額が多くても、毎月10万円以上の不労所得が得られると持ちかけ、かぼちゃの馬車を続々と建てさせたのです。
しかし、実際にはかぼちゃの馬車は思ったように入居者を集めることができず、頼みの綱であった入居者の職業斡旋事業も軌道に乗らなかったため、2018年にあっさりと倒産。オーナーには、スルガ銀行から高金利で融資を受けたローンの負債と、使い勝手が悪く、居住性や魅力の乏しいシェアハウスのみが手元に残されたのです。

そして、2019年に入り、アパートの建築基準法に抵触する事例が多数発生したレオパレスでも、サブリース契約を餌に、不動産投資家との契約を取り付けていたことが明らかになっています。
このようなアパートやシェアハウスを建てさせていた不動産デベロッパーは、まず、新築物件の建築で利益を得ていました。サブリース契約自体はそれほど利益を生み出さなくても、修繕工事などで随時、自分たちが利益を得られるようなスキームを確立していました。
貸主側としてサブリース契約を結ぶ時、設定されている家賃の金額がまず妥当なのか、契約更新時の家賃の値下げはどれぐらい行われる可能性があるのか、違約金や修繕費用はどれくらい発生するのかなど、きちんと確認しておく必要があります。

4.サブリースを選ぶべき状況とは

それでも、不動産オーナーにサブリース契約のメリットがないわけではありません。どういった時であればサブリース契約を結んでもよいのか、確認しておきましょう。

4-1.都心に物件を所有して家賃の値下げを行う必要がない

不動産は物件自体の経年劣化により、家賃を下げざるを得ません。しかし、土地は劣化するものではなく、消費されるものでもありません。そのため、地価が上昇すれば、家賃を値上げしていくことも可能です。現在の東京23区内の一等地は、地価が大幅に上昇し、家賃の相場が急上昇しています。そういった場所に不動産を所有していれば、サブリース会社との契約時に、家賃の交渉で「値下げの必要はない」と突っぱねることができます。
需要が高い物件であれば、家賃の値下げ交渉に応じることもなく、一定の家賃収入を維持しながら不労所得を生み出せる、などのメリットがあります。

4-2.手数料をかけるよりも、時間のコストを重視したい

サブリース契約の手数料は、15%から20%が一般的な相場になっています。それに対し、物件の管理費用は5%です。サブリース契約では、10%から15%ほどのコストが発生してることになります。
しかし、その分だけ空室リスクがなく、物件の運営を全て任せることができるメリットも存在します。
例えば、家賃50万円の物件を所有している場合、一般的には発生する手数料は25,000円です。一方、サブリース契約での手数料は75,000円から10万円です。差額50,000円から75,000円の負担増を、作業の手間がかからないことや、精神的な負担が発生しないことで得られるメリットと天秤にかけてみましょう。後者にメリットが有ると感じられれば、サブリース契約を結んでも良いでしょう。
収入の安定は、精神面で非常に大きなメリットです。
メリットを得るためにも、物件選びの際は良い立地を選び、家賃の値下げや空室リスクが発生しないようにしておきたいものです。

まとめ

何かと現在、話題になりがちなサブリース方式の契約ですが、リスクを回避することはそこまで難しいことではありません。当たり前の話ですが、賃貸契約を結ぶ時にはしっかりと契約書を読み込み、どのタイミングで違約金が発生するのか、家賃の値下げが発生するのか、確認しておけば良いだけです。
新築アパートのサブリース契約の問題も、結局、オーナーがサブリースの契約書をよく読み込んでいなかったこと、サブリース契約を行う不動産管理会社も十分な説明を行っていなかったこと、などが問題の発端になっているのです。
知人の宅建士に契約書の内容を確認してもらうなど、手間を一つかけるだけでサブリース契約に伴うリスクは回避できますし、都心の物件であれば大きなメリットを享受できます。