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賃貸物件の立ち退き問題・強制退去問題をどう捉えるか

2019.08.18

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賃貸物件の運営を行っていく中で想定しておかなければいけないリスクの一つに、入居者の退去関係のリスクがあります。自分たちで別の用途に物件を用いるので入居者に退去してほしいという退去問題もあれば、入居者が家賃を支払わない、また騒音などで他者に迷惑をかけるなどのトラブルで退去を迫りたいという強制退去問題など、様々な種類の問題が起こりえます。
こういった問題に直面した時に、物件オーナーとしてはどのように対処するべきなのでしょうか。その内容を、ここでは確認していきたいと思います。

1.立ち退き要請ができる場合

まずオーナーとして、入居者に立ち退きの要請ができるケースを見ていきましょう。

1-1.定期借家契約を結んでいる
入居者とオーナーで定期借家契約を結んでいる場合は、契約期間の期限が来れば退去要請できます。もちろん自分がまだまだ続けて借り続けてほしいという時は、定期借家契約でも更新することができます。そして予定通り定期借家契約が終わった段階で、自分で別の用途に物件を用いたいので契約を更新しないという場合は、入居者に対して退去してもらえます。
ただし、退去を迫るためにはあらかじめ定期借家契約を賃貸契約締結時に盛り込んでおかなければいけません。
そして定期借家契約であるという点も、自分で相手に一方的に伝えるだけではなくきちんと宅地建物取引士の同席のもと、貸主と借主同席の場で説明しておくことで後々のトラブルを避けることができます。
もちろん最初の契約時に定期借家契約であることを契約書に明示してあれば、法律上問題はないので、立ち退きを迫ることはできます。しかし、入居者がなかなかそれを認めない場合は厄介な問題に発展する可能性があります。
入居者を強制的に退去させるためには精神的なストレスもかかりますし、様々な手続きの時間そして強制執行を行うための費用なども発生していきます。そして退去しないからと、入居者の所有物を勝手に処分すると、逆に今度はオーナー側が訴えられる可能性もあります。
定期借家契約だからといってある日突然、「ここで契約が終わりなので、何月何日までに退去の準備をしてください」と伝えるのではなく、もあらかじめ1年前、半年前、3ヶ月前の段階を踏んでいって「何月何日で契約が終了しますので、退去の準備をお願いします」と伝えておいた方がスムーズな物件の引渡しが可能になってきます。
オーナー側の権利は残念ながら日本の民法においてはまだまだ弱いので、例え権利上問題がなかったとしても丁寧な告知そしてやり取りを行っておきましょう。

1-2.6ヶ月前に通知を行う同意が取れている

通常の賃貸契約更新で物件を貸している場合、基本的にはオーナーが強制的に退去を迫ることはできません。日本の民法における賃貸契約においては、入居者に更新の意思がある限りオーナーはそれを破棄できません。2年ごとの契約だった場合、2年の契約終了時に再度入居者が契約を申し込んできたら、それに応じる義務があります。
ただし、これも法律上例外があるので一定の条件を満たせば退去を要請することは可能です。
その条件としては契約終了の半年前までに要請を行っておくこと。オーナー側の正当事由が存在するということです。オーナー側の正当事由として、以下のような事例が挙げられています。

1.オーナーが所有する不動産が賃貸物件だけになってしまい、そこに住む以外の選択肢がなくなってしまう
2.建物が旧耐震基準にしか適用していないなど、安全性に問題があるため建て直しの必要がある
3.オーナーが自分で事業を営みたいが、所有している不動産が賃貸物件だけなのでその物件を利用するしかない場合
こういった正当事由があり、かつ6ヶ月前までに退去要請を行っていれば、退去要請が認められるケースもあります。ただしこれも100%認められるわけではなく、入居者が退去をしぶれば裁判に持ち込まなくてはいけないこともあります。司法の判断を受ける必要が発生してくる可能性もゼロではないため、時間も費用も発生します。
どうしても貸主側の権利は借主側の保護に比べると弱いものがあるため、たとえ正当事由があったとしても100%裁判で勝てるとは限りません。
もし入居者がなかなか退去してくれない場合は立ち退き料を支払って退去をお願いするケースも珍しくはありません。

2.立ち退きの同意が取れない時の対応は

立ち退き料とは、もともと住んでいた入居者に対し新しいに今日先を見つけるために必要な費用を支払うことを指します。まとまった収入がない人にとっては、新しい入居先を見つけるといっても安定した職業に就いていなければ、賃貸契約を結べないことがあります。
そして引っ越しのお金も
・敷金
・礼金
・仲介手数料
・前家賃
・引っ越し代

これらを考えれば、家賃の5ヶ月から6ヶ月分のお金が必要になることも珍しくはありません。そしてその他にも引越しにより通勤や通学が不便になる可能性があるなど、転居による不都合の慰謝料的な立ち退き料が発生する可能性もあります。
オーナーがスムーズに事を進めるためには、立ち退き料を支払ってすぐにでも大挙してもらった方が良いという時もあるでしょう。そのためこういった慣習が日本には根付いているのです。

2-2.立ち退き料の相場は

では立ち退き料の相場はどの程度でしょうか。明確にこういったケースではこれほどの立ち退き料を支払いなさいという裁判所の判例はありません。
ただし引っ越しに必要な費用をオーナーが負担するというのが、一般的な考え方です。アパートからアパートに引っ越す時に、引っ越し代として必要なのは相場で言えば敷金1ケ月。礼金1ケ月、仲介手数料1ケ月、前家賃1ヶ月さらには業者に依頼する引っ越し代です。
最近では礼金のない物件も増えていますが、それでも家賃の3~4ヶ月分はないと入居者にとって強制的に待機を強いられた上に、本来必要のない無駄な出費が増えてしまいます。
そのため、3~4ヶ月分程度の家賃を負担し、さらに新しい入居先を見つけ、契約の斡旋も行うのであれば入居者も引っ越してくれる可能性が出てくるでしょう。
そのようなまとまった費用を用意できない場合は、立ち退きの同意を得られなくなります。
さらにもう一つ問題になりやすいのは、普通に居住用として住んでいるだけではなく店舗として運営している場合です。
店舗物件の場合は引っ越すことは大きなリスクになってしまいます。現在よりも立地の悪い場所に移動することで客からの認知度は下がり、生命線である売上がダウンする可能性もあります。場所と店がセットで覚えている顧客も多いので、極力店舗の場所を変えたくないというのは飲食店や販売店にとっては切なる願いと言えるでしょう。
店舗に退去を依頼するときは、より大きな金額の慰謝料を支払わなければいけないこともあります。大家にとって莫大な出費になってしまうこともあるのです。
そして自分が相場より安い家賃で貸していた場合、より家賃の高い場所に引っ越して店側の経費が増えることもあるので、退去を拒否されることも多いです。
店舗への退去要請に関しては、ある日突然退去迫るというよりも、きちんと「何年何月にビルの建て替えを行うので、退去を検討してほしい。または転居先を見つけておいてほしい」1年以上前からいいます。そ氏転居先の入念な打ち合わせが必要になってくるでしょう。
逆に言えば、良い関係を築けている貸主と借主はそれほど大きな立ち退き料が発生しないこともあります。明確な相場が存在しないだけに、交渉力そして大家と店子の関係性の構築が重要になってくるのです。

3.強制退去を要請できるケースは

家賃の未払い土があれば、強制退去を要請できます。その際スムーズに退去してもらうための手順をお伝えします。
3-1.家賃支払いの関する通知の送付
最初は手紙やメールなどで家賃支払いを要請します。ここでスムーズに連絡が取れれば費用も時間もかかりません。
しかし「保証人の利用も検討します」という内容も盛り込んで、相手に危機感をもたせることも忘れないようにします。

3-2.連帯保証人へ連絡をとる
本人にメールや電話、手紙で支払いを催促しても反応がないときは、当初の予定通りに連帯保証人に最速を行います。その際には内容証明郵便を使えば、相手の「封書を読んでいなかった」などの言い訳を却下でき、その後の交渉が有利になります。
未払いである家賃の督促と、支払いがない場合には賃貸契約を解除するとも伝えます
そして滞納した家賃を支払うことで賃貸系夜雨を解除することに合意する旨も、盛り込んでおきます。

内容証明郵便には文字数の制限があるので、コンパクトに内容をまとめます。また送る相手が一人でも、相手、自分、郵便局の保管用で3通用意します。

3-3.契約解除
内容証明郵便に記載した期間内に家賃の支払いがなければ、契約解除が認められます。
しかし、契約解除が認められても実際に物件を引き渡してもらわなければ、他者に貸し出すことはできません。そこで明け渡しや請求の訴訟を行ないます。

裁判では、基本的に和解調停で滞納家賃と引き渡しを行いますが、相手が応じなければ、裁判所が判決を下します。

・不動産登記謄本
・固定資産評価額証明書
などの書類が裁判には必要です。

3-4.強制執行
退去がなければ強制執行を行います。これは法律上認められた権利です。
強制執行担当の裁判所の職員立ち会いのもと、借主は退去し、家族や家具、資材などを全て持ち出させます。そして空室の状態に戻します。
また強制執行の費用は借主の負担になります。裁判所は負担してくれません。借り主に支払能力がなければ、貸主の自己負担ということもあります。

まとめ

強制退去は正当事由や借主の落ち度がない限り、なかなか認められません。また裁判所が判決を下したとしても、強制退去の撤去費用などが掛かる恐れがあります。
後のリスクをよく考えて、自家使用のありえる場合は、定期借家契約も検討しておきましょう。