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読み物

店舗の保証金・敷金相場はどれくらい?あとで返還される?

2019.04.10

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店舗物件を賃貸で借り受けたときには、一般的に、アパートやマンションを借りるときよりも、かなり大きな金額の保証金や敷金などを預け入れなければいけません。なぜそれほど多額の金額を預けなければいけないのか、また、どれくらい敷金や保証金の返還が受けられるのかについて、ここではお伝えしていきます。

1.店舗の保証金や敷金の相場

飲食店や販売店などの店舗を借り受け、事業を営みたいという人もいるでしょう。そういった場合には、できるだけ人通りが多くて人が入りやすい、また、外から見つけやすい場所にテナント物件を借りる必要があります。こういったテナント物件を借りるときには、一般的には契約料の一部として敷金や礼金、また、敷金以外に保証金という名目でお金を預け入れる必要があります。そして、その他に前家賃なども預けなくてはいけません。
自分でアパートやマンションなどを借りた経験がある人であればお分かりでしょうが、敷金は居住用物件にも発生します。従来は引っ越しを一回すると、家賃の6ヶ月分に相当するお金は不必要だと言われてきました。しかし、最近では、よほどの人気エリアでない限り、礼金の習慣はなくなってきていますし、敷金も2ヶ月分を預けなければいけないところはかなり減っています。そのため、引っ越しをしても3ヶ月分の家賃が用意できれば、十分に引っ越し先を見つけられます。店舗物件を借りるときも、「その程度の費用を用意していれば十分だろう」と思ってしまう人がいるのです。
しかし、それは大きな間違いです。店舗としてテナント物件を借りる場合には、一般的には、最低でも家賃の6ヶ月分にあたる敷金や保証金を預けなければいけなくなっています。そのため、家賃25万円の店舗を借りるとしたら、家賃1ヶ月分から2ヶ月分に相当する礼金、そして、最低でも家賃6ヶ月分の敷金、そのほかにも、不動産屋に支払う仲介手数料や書類作成費、保険代などがかかってきます。もちろん前家賃も必要になりますので、当初は家賃1年分ほどの金額をまとめて用意しなければいけません。つまり、家賃25万円の店舗を借りるのであれば、自分で現金を300万円ほど用意しておかなければいけないことになります。
また、この6ヶ月というのはまだ、比較的安い金額になります。物件の立地が良い場所、造作がしっかりしている物件になると、家賃12ヶ月分の敷金や保証金を用意しなければいけない物件もあります。店舗物件の世界ではまだまだ、敷金は十分に預けなければいけないものと思われているのです。

2.テナントの敷金は一般的な住宅よりも高い傾向にある

一般的な住宅であれば、敷金が1ヶ月分というものもありますし、最近では、退去時に清掃費などを実費で精算すればいいという物件もあります。そのため、引っ越しの際の初期費用はむしろ、抑えられる傾向にあります。
では、なぜ店舗物件では、これほど多額の敷金を用意しなければいけないのでしょうか。たとえば単身者向け物件の場合、そこに出入りする人は基本的には契約者だけです。もちろん友人などを招き入れて複数人で利用することもありますが、それは一時的なものにすぎず、不特定多数の人間が出入りすることを想定していません。そのため、よほどひどい使い方をしなければ、物件の劣化は進みにくいです。
しかし、店舗物件を営む場合はどうでしょうか。契約者しか出入りしないのでは、店舗の運営が成り立つわけがありません。何十人、何百人のお客様に毎日入ってもらうことを想定しています。そのため、物件の劣化が進みやすくなります。壁紙や床はほぼ消耗品であり、カーテンやカーペットも定期的に入れ替えなければいけないでしょう。汚れる可能性もありますし、不特定多数の人間が出入りするようであれば、トラブルに巻き込まれる可能性がどうしても高くなってしまいます。そのため、物件に破損や損失が生じるリスクが高くなり、貸す側としてもどうしても高い敷金を預かっておく必要があるのです。敷金を十分に預けてもらえるのであれば、敷金を使って現状回復(※校正マークはついていますが、専門用語ですのでこのまま無視します)ができます。
つまり、基本的には貸主がリスクを回避するために、借主に対してまとまった金額の敷金を用意するように請求するのです。
また、もう一つの観点として、借主側に十分な経済力があるのかどうかを判断する目安にもなっています。店舗を運営したい人にテナントを貸しても、わずか数ヶ月であっという間に資金が枯渇して退去されてしまっては、貸主にとってテナント運営の効率が悪くなってしまいます。
そのため、借主が十分な現金を用意できる人間であるのか、きちんと貯金ができる人間であるのか、また、資金を調達する手段を持っているのか、などを判断するため、最初にまとまったお金を要求するのです。このハードルを越えられない借主であれば、貸主にとってリスクが高い借主になってしまうのです。
問題のある借主を足切りする基準として、まとまった資金や保証金を請求するのだと割切るようにしましょう。

3.保証金は家賃の滞納が起きた時に頭から充当されるもの

敷金は原状回復に使われる費用ですが、保証金は敷金とは違った使い方がされることがあります。それは家賃の滞納が発生した時の備えです。家賃の滞納が起きれば、保証金から家賃を充当するのです。たとえば最初に保証金として10ヶ月分の家賃を納めておきます。もし店舗の経営がうまくいかずに家賃が払えないというときに、貸主は保証金から家賃を徴収します。つまり、保証金には家賃保証としての意味合いがあるのです。
また、保証金の取り決めについては、たとえば『1年間に3%分を償却する』などの特約を結ぶことがあります。借り受けてから1年後の契約の解除時に、貸主は納めた保証金の3%分を借主に返還しなくてもよいという契約を結ぶのです。
たとえば保証金として100万円を預けていて、年間の償却額は保証金の3%という契約を結んだとします。そして、10年間借りた場合、退去時には最終的に3%×10年間分、つまり、30%はすでに償却されている扱いになってしまいます。
保証金の30%は返還されることはなく、家賃の延滞などが一切なくても、退去時に戻ってくる保証金は70%である70万円にしかならないのです。
この慣習は貸主、借主の双方にとって、重要な役割を担っています。貸主側にとってリスク回避のためには必要な取り組みであること、借主側は保証金を十分に収めることで入居の審査を通過できる、などのメリットがあるのです。

4.居抜きで返還可能であれば、抑えることも可能

敷金と保証金をそれぞれ納めていれば、保証金は基本的に償却分を除いた金額が返還されるようになっています。では、敷金を多めに返還してもらうためには、どのようにしたら良いのでしょうか。
敷金の返済には、物件の使用状態が大きく関係してきます。店舗や事務所を運営していても、基本的に大幅な造作の変更がなく、物件に汚れや破損などもなければ、大がかりな原状回復の工事は元から必要ないでしょう。
また、『賃貸契約の期間が長ければ、(壁紙やカーペットなどの)汚れは経年で自然に起こり得るものとして、修復義務は借主ではなく、貸主側に発生する』との見解が、最近の民法改正によって一般的になりました。
そのため、借主側が費用を負担して壁紙などを交換するのではなく、経年劣化するものについては貸主が費用を負担し、修復しなければいけません。あらかじめ契約時にこういった部分も確認しておけば、退去になったとしても、それほど多額の原状回復費用を支払う必要もなく、敷金の大部分を返還してもらうことはできます。

また、一例として飲食店で居抜き物件を借りたとします。居抜き物件は初めから設備や造作などが整っているので、自分で大規模な内装工事などを加えずとも、そのまま店舗を運営できることが多いです。そういった場合は退去時に大幅な修復工事を行う必要がなく、敷金だけで原状回復の工事を行うため、敷金の大半が返ってくる傾向にあります。
ぎゃくに、スケルトン物件で賃貸契約を結び、退去時に元の状態にして戻さなくてはいけない場合、設備が全くない初期の状態に戻す工事をしなければいけないため、工事に多額の費用がかかってしまうことが多いです。
居抜き物件を契約している場合、借りるときだけではなく、契約を解除するときにも金銭的なメリットが非常に大きいのです。

5.賃貸契約時に契約内容をよく確認しないと、取り返しの付かないことになるかも

賃貸契約の解除時のトラブルは、居住用物件、店舗用物件、事務所用物件のいずれにおいても非常に発生しやすいのです。しかし、トラブルの発生理由の大半は、賃貸契約時に契約内容をよく確認しておかなかったことに起因するのです。
最近の民法の改正により、『原状回復費用は、基本的に貸主側が負担する』ことになっています。改正の内容を踏まえたうえで、賃貸契約時に、退去時の原状回復費用の負担についてしっかりと確認しておきます。内容が明らかにおかしい契約では、きちんとその場で異議を唱え、宅地建物取引士などの立ち会いを通じて公正な契約を結ぶようにしましょう。
また、保証金の扱いについては、契約内容をよく確認しておきましょう。『契約解除時に保証金の全額が借主に返還されるが、貸主には全く償却されない』など、貸主側に大変不利な契約内容になっていることもあります。
契約後、明らかに違法だと思われるような内容であっても、相手に非を認めさせるためには、自分で裁判などを起こさなければいけなくなります。結果として金銭面や精神面の負担、時間的なコストも大きなものになってしまうのです。
退去時にそのような無用なトラブルを避けたいのであれば、まずは自分で契約に関する知識を身につけます。契約時に内容をしっかりと確認し、おかしいと思ったものは修正を求めましょう。
そのことを心がけておけば、後々のトラブルを避けることができます。