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読み物

店舗を閉めたい場合の注意事項

2019.03.13

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店舗を開業するには多くの手続きや準備が必要ですが、閉店する場合も同様です。閉店するとなるとどちらかといえば後ろ向きのエネルギーが要求されるような気がしますが、ここをきれいにクリアすることで心おきなく次に進むことができますから、開店と変わらない心構えで向き合っていきましょう。

【閉店の通知が必要】

店舗が自分の所有である場合には問題ありませんが、賃借している場合には事前に大家さんや不動産業者へ通知する必要があります。事業用物件の場合だと3ヶ月から6ヶ月前までに通知する旨の記載があるはずですので、契約書をよく確認しておきましょう。

このことは、思い立ったらすぐ店舗を閉店できるわけではないことを意味します。閉店するにはさまざまな事情があるでしょうが、閉店を決めてから少なくともこれらの期間は家賃を払い続けなければならないことを念頭に、閉店計画を立てる必要があります。

もし人を雇用していたなら、こちらも少なくとも1ヶ月前までには解雇通知をする必要があります。設備や備品等をリースによって使用していたのなら、これらの取引先への連絡も必要です。そうした事前通知が必要な相手先であり、期間が一番長いのが賃貸借の大家さん(所有者)ですが、場合によっては違約金等を請求されることがあります。

【中途解約する場合には違約金リスクがある】

たとえば5年間の契約で店舗を借りている場合、期限を守って通知したとしても残存期間によっては違約金を求められることがあります。違約金の額は通常は契約書に明記されているはずですので、こちらもきちんと確認しておきましょう。契約書に記載されているということは契約時に説明があり、納得して押印したはずですのでこれを拒否することはできません。ただし余りにも賃借人に不利な内容である、負担が大きい場合には裁判で減額されることもあります。残存期間にもよりますが、違約金の上限は1年程度までとされるのが一般的です。

【定期借家契約の場合、中途解約はできない】

それでも事前通知によって中途解約が可能なのが一般的な契約(普通契約)ですが、これとは異なる定期借家契約だと中途解約が認められていないことに注意が必要です。定期借家契約は更新がない契約です。普通契約では契約期間が満了を迎えたら自動的に更新されることになりますが、定期借家契約にはそれがないため、期間満了によって終了します。

定期借家契約で期間満了後も引き続き営業を行いたい場合には、大家さんとの交渉、合意の上で再契約を行う必要があります。このような契約の形態は年々増えており、確実に契約が終了すること、賃借人を選別できることなどによって貸し主に有利な契約だと言われることもあります。

しかし一度貸したら自動的に契約が更新される、余程の理由がなければ明け渡しを要求できない、要求できるが相応の対価を支払う必要がある普通契約が余りにも賃借人有利に傾斜しているという側面もあります。それがない分定期借家契約では賃料が比較的安価に設定されている、更新料がかからないというメリットもあります。ただし安価な賃料のみに着目して契約すると、中途解約時に残存期間分の家賃を支払わなければならないリスクがあることを把握しておくべきでしょう。

閉店を決めたら自分の契約の形態を再確認すること、閉店通知の期限を守って書面で閉店を申し入れること。閉店までに必要な賃料などの費用を把握しておくこと。違約金についても額を確定し、場合によっては交渉することを検討しておきましょう。

【保証金の返還について】

さて店舗などの事業用物件の場合、入居時には保証金を差し入れているはずです。額は毎月の賃料の6ヶ月から10ヶ月分程度が一般的ですが、店舗を閉店する場合には、この保証金は基本的に返還されることになります。ただし賃料の滞納がある場合には、滞納分が差し引かれます。

また契約書に償却する旨の記載がある場合にはその分も差し引かれるため、注意が必要です。保証金を閉店にかかる諸費用に充てる前提で計算する際には、保証金がいくら戻るのか、いつ戻るのかを事前にチェックしておかないと支払いが厳しいなどの事態になりかねませんから、確認して明確にしておきましょう。

【原状回復義務について】

原状回復とは、借りた時の状態に店舗を戻して返還することを表します。店舗や事業用利用の場合の多くは内装のないスケルトン状態で借りることが一般的ですから、同じようにスケルトン状態にして返還しなければなりません。開店する際に最も費用がかかった部分でしょうが、閉店して撤去する場合にも多額の費用が必要になりますので設備や備品の撤去や解体費用をあらかじめ見積もっておくと安心です。

事務所や小売業などの場合、スケルトンに戻すのにそれ程手間や費用はかからないかもしれません。問題は飲食店などの場合で、調理器具や設備に多大な費用がかかったものが、撤去解体にも同様に費用を必要とする点です。可能ならば複数社から見積もりを取って、比較検討することをおすすめします。また店舗の返還日時が決まっている場合には、そこから逆算して余裕を持って工事を依頼すると良いでしょう。

《居抜き物件として造作を売買する》

上記の通り、店舗の解体費用や設備の撤去には多大な費用がかかります。これを抑えるために、次の入居者を自身で見つけて引き継ぐという方法もあります。こうした手法は設備に費用がかかる飲食店などで利用されることが多く、新しい入居者にとっても開店費用が抑えられるというメリットがあります。

居抜きで閉店する場合に、まず必要なのがオーナー、大家さんの同意です。閉店を決めたなら、居抜きでの引き継ぎを打診しておきましょう。大家さんとしても空店舗状態は望ましくないはずですから、可能性は少なくないはずです。ただし明確にしておくべきなのが、次の入居者の原状回復義務についてです。

いずれ閉店後には新入居者と大家さんの間で契約が結ばれることになりますが、居抜きで入居したとしてもスケルトンに戻す必要がある旨は明確に説明しておく必要があります。

《譲渡する設備や造作の一覧を作成しておく》

新入居者が決まったら、その相手と結ばなければならないのが造作譲渡契約です。それまでにどの設備をいくらで譲渡するのか一覧を作成しておかなければなりません。リース物件や不要な設備の有無、処分方法についても詰めておく必要があります。この部分を曖昧にしておくとトラブルの元にもなりますから、可能な限り両者立ち合いの元で交渉し、文書にしておくと安心です。

《造作の譲渡金額に過大な期待はしない》

新入居者にとって、開店費用を最小限に抑えられる居抜き物件は確かに魅力的です。閉店する側にとっても原状回復費用をかけずに、設備や備品等を買い取ってもらえるという大きなメリットがあります。しかし譲渡金額について過大な期待は禁物です。人気エリアに立地している、他に得難い物件である場合を除いては金額について交渉されることは承知しておきましょう。

《事業用物件の原状回復義務について》

ここで原状回復義務について補足しておきます。アパートやマンション等の居住用物件でも、原状回復はしばしば問題提起されることがあります。多くは敷金の返還に絡んだ問題で、何も問題なく賃借人が使用していた場合でも経年劣化によって生じる不具合等についてトラブルが起こることから、国土交通省が指針を提示するに至りました。

この指針によって、賃借人に非のない経年劣化部分については退居時に補修の必要がない等定められたものですが、これはあくまでも居住用物件についての指針であり、店舗等の事業用物件については適用されないことに注意が必要です。事業用物件については多くの場合スケルトンで賃借し、再びスケルトンにして返還するというのが一般的ですから、混同しないようにしましょう。

【閉店には手間も費用もかかる】

店舗の閉店を決めたなら、まずはオーナーや大家さんに通知する必要があります。契約書を再確認して、違約金等の費用を最小限に留めましょう。それでも期日までの賃料は支払わなければならないことに注意しておく必要があります。また定期借家契約で契約している場合には中途解約ができません。一部を居住用として使用していた場合などを除き、事業用利用には例外規定がないことに注意が必要です。

契約時に預けた保証金は基本的に返還されますが、償却する旨の記載がある場合にはその分が差し引かれることになります。また家賃の滞納があるとそれも差し引かれるため、確実に返還される金額について明確にしておきましょう。

閉店時に多額の費用がかかるのが原状回復費用で、事業用利用の場合だとスケルトンに戻して返還するのが一般的です。撤去解体には費用のみならず期間もかかりますから、十分な余裕を持って準備しておきます。

撤去解体しないで設備や造作を次の入居者に引き継ぐこともできます。この場合はオーナーや大家さんの了解が必須ですから、早めに交渉しておきます。また居抜き物件を扱う業者、サイトなどを利用して新しい入居者を見つけることも可能です。見つからない場合には造作や備品等を売却し、スケルトン状態に戻す費用を事前に見積もっておくと安心です。

新入居者が見つかったら、引き継ぐ設備や造作について一覧を作成し、情報を共有しておくことも重要です。リース物件かどうか、使用状況や故障の有無についても可能な限り明記しておきます。このリストを元に、後日造作譲渡契約書を交わすことになります。

店舗の閉店を決めたなら、最低限これだけのことはやらなくてはなりません。後ろ向きのエネルギーを要求されて疲弊しそうですが、きれいに撤退することが次の新しい出発に必ず生きてきます。ここで得た教訓を次に生かすこともできるでしょう。今回の閉店を、ぜひ新しいスタートのために生かして下さい。